奥州路沢辺宿

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奥州街道78番目の宿場は、沢辺宿である。

一関から18キロ南にあり、国道四号線からすこし入ったところに

いにしえの宿場町を慕ばせる商家の軒並みが続いている。

まもなく三迫川に行き着くと、土手の内に花壇や庭園があった。

芭蕉が松島から一関に向かった旧暦五月十二日は、登米に泊って伊豆沼にふれている。

十二日 曇。戸今(登米)を立。三リ、雨降出ル。上沼新田町(長根町トモ)三リ、安久津(松島ヨリ此迄両人共ニ歩行。雨強降ル。馬ニ乗)一リ、加沢(金沢)。三リ、皆山坂也。一ノ関黄昏ニ着。合羽モトヲル也。

沢辺の宿から街道ひとつはずれた15キロ海側の一関街道を、

雨に降られた芭蕉は馬に乗ったらしい。

近くのスーパーにて弁当を選んで、

三迫川のパノラマ風景を見ながら昼食をとる。

分水堰に止められた川面に、さざ波が風で逆流していった。

この近くに、源氏ホタルの群生地があるとのことで、一句。

此ほたる 田ごとの月に くらべみん 芭蕉

蛍火に 殊にうれしき 家居哉  蕪村

又一つ 川を越せとや とぶ蛍 一茶

蛍来て ともす手相の 迷路かな 寺山修司

こいすてふ ほたる渡れり 天の川 壬生の長者

晴るる夜の 星か河辺の蛍かも わが住むかたの海人のたく火か 在原業平

夏は夜 月のころはさらなり やみもなほ、蛍の多く飛びちがいたるまた、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くも、をかし 清少納言

松島の客人、登米の客人、福島から帰郷の客人、仙台の麗人、RHRをEARで鳴らす客人、北海道の客人がお見えになった。